2012/10/29

Perl/Wx(wxPerl)をはじめてみよう (PerlでGUIアプリケーション)

Perl/Wxをはじめてみよう...ということで。
WxWidgets(クロスプラットフォーム対応のGUIライブラリ)で
超シンプルなGUIアプリケーションを作りますw とっても簡単です。


まず、wxWidgetsというのは、
Windows / Mac / Linux(GTK)のネイティブGUIを利用できるラッパーライブラリです。

PerlのCPANで公開されているWxモジュール(WxPerl)は、
このWxWidgetsをPerlから利用するためのモジュールです。
最新版は、0.9914 (2012年10月02日)、かなり最近です。
これに関して、Perlでこの話題を持ちだしてきたのにはちょっと理由があるのですが、それは最後にでも(笑)

余談ですが、かの "Google Drive"のPC向けアプリケーションも
wxWidgets(wxPython)で開発されているようです (→公式サイトのNews
参照)
様々なアプリケーションに利用されているライブラリであることは何より安心できますね(>ω<)♪



さて今回は、Linux(Fedora 17)環境で wxWidgets 2.9.4による
GUI(GTK+2)アプリケーションを作ってみたいと思います。

(尚、WindowsやMacにおいても、書くべきソースコードは共通となります。
WxWidgetsとWxモジュールのインストールが少々異なってきますが、参考にしてください。)

perlの環境がインストールされていることが前提です。
(私のFedora環境では、perl-5.14.2を利用しています。)

まず、GTK+2の開発パッケージをインストールします。
$ sudo yum install gtk2-devel

次に、Alien::wxWidgetsモジュールをビルドしてインストールします。
(今回はCPANでうまくインストールできなかった為、自前でtar.gzをダウンロードしビルドしました。)
http://search.cpan.org/~mdootson/Alien-wxWidgets-0.62/lib/Alien/wxWidgets.pm
このモジュールは、ビルド時に適切なWxWidgetsを取得してビルドしてくれます。

$ wget http://search.cpan.org/CPAN/authors/id/M/MD/MDOOTSON/Alien-wxWidgets-0.62.tar.gz
$ tar zxvf Alien-wxWidgets-0.62.tar.gz
$ cd Alien-wxWidgets-0.62/
$ perl Build.PL
〜ここで以下のような質問が表示されますが適当に答えて... 2.9.4 (執筆時点のLatest Development版) をインストールしてもらいますw〜 Which wxWidgets version? (2.8.10, 〜 , 2.9.4) [***] 2.9.4
Which archive type? [tar.bz2 ] (そのままEnter)
Do you want to include OpenGL support [no ] (そのままEnter)

$ perl Build
$ perl Build test
$ sudo perl Build install
$ sudo ldconfig

次に、Wxモジュールをビルドしてインストールします。http://search.cpan.org/~mdootson/Wx/Wx.pm

$ wget http://search.cpan.org/CPAN/authors/id/M/MD/MDOOTSON/Wx-0.9914.tar.gz
$ tar zxvf Wx-0.9914.tar.gz
$ cd Wx-0.9914/
$ perl Makefile.PL
$ make
$ make install
(後述のようにユーザディレクトリ下にPerl環境を置いている場合は、sudoをつけないほうが良さそうです。
もちろん、システムでPerl環境を共有している場合には、sudoをつけてmake installしてください。)

これで準備完了です。

あとは... ソースコードを書くだけです。
use Wx;

my $app = Wx::SimpleApp->new;
my $frame = Wx::Frame->new( undef, -1, 'Hello, world!' );

$frame->Show;
$app->MainLoop;

(http://search.cpan.org/~mdootson/Wx/Wx.pm より引用)

これを適当に保存して、実行してみましょう。
$ perl hoge.pl

こんなウィンドウが表示されたら成功です(>ω<)♪



この時、もしも...次のようなエラーが表示されたら...
Can't load '/***/Wx/Wx.so' for module Wx: libwx_gtk2u_adv-2.9.so.4: 共有オブジェクトファイルを開けません: そのようなファイルやディレクトリはありません at /***/DynaLoader.pm ***.
この場合はライブラリが認識されていません。

どうやらperlの環境によっては、ライブラリファイルがユーザディレクトリ内にインストールされてしまい、その結果として認識されないことがあるようです。
(Alien::WxWidgetsのビルド時にBuild.PL --prefix=***を指定しても効きませんでした・・・
調査中です。どなたか正しい方法をご存知でしたらアドバイスをお願いいたします m(_ _)m
Perlbrewの環境とかもそうなったりするんでしょうか・・・未確認です。)


(あんまり良い方法では無い気がしますが...)とりあえず対策として
ライブラリパスをユーザの環境変数に追加しておきます。

まずは目的のライブラリファイルを探します...
$ sudo find / -name "libwx_gtk2u_adv-2.9.so.4"

ファイルは見つかりましたか?
(例: /home/hoge/perl5/lib/perl5/x86_64-linux-thread-multi/Alien/wxWidgets/gtk_2_9_4_uni/lib/libwx_gtk2u_adv-2.9.so.4 )

見つかったファイルのあるディレクトリを登録します:
$ export LD_LIBRARY_PATH=$LD_LIBRARY_PATH:***/Alien/wxWidgets/gtk_2_9_4_uni/lib/ (上の例であれば...ディレクトリは、/home/hoge/perl5/lib/perl5/x86_64-linux-thread-multi/Alien/wxWidgets/gtk_2_9_4_uni/lib/)

さらに、同じexport文を ~/.bashrc の末尾にも追加しておきます:
$ vi ~/.bashrc

export LD_LIBRARY_PATH=$LD_LIBRARY_PATH:***/Alien/wxWidgets/gtk_2_9_4_uni/lib/

その後、もう一度、sample.plを実行してみてください。今度は動くはずです(汗;)
$ perl sample.pl


さて...今回はこのへんで。
大学のテストが間近なのでテスト勉強してきますっ(`・ω・´)シャキーン (汗;) (

デモアプリケーションがCPANでWx::Demoとして公開されているので
そちらを参考にしつつ使わせてもらいましょう(>ω<)♪


[2013/06/23 追記]
Arch Linux(64bit), perl-5.18.0の環境で試してみたところ...
$ cpan Alien::wxWidgets Wx
とCPANシェルでインストールするだけで、wxPerl環境の構築が楽にできました。
上記のサンプルコードもそのまま動作しました。何か作ってみようかな♪

また、直接関係ありませんが、wxWidgetsのドキュメント日本語訳プロジェクトが新たに始動されていました。
日本でもwx関連がまた活発になっていくといいですね。


[余談]

この記事を突然書くことにしたのには経緯があったりします。
実は以前から私はWxWidgetsとWxモジュール(WxPerl)をかじっていた時期がありました。
ただ、2010年になってからしばらく...モジュールのアップデートが特になくなり...。
私も、Web開発のほうに興味が傾いていた事もあって、GUIアプリ開発そのものが少なくなり、
その後はたまにWxPerlのウェブサイトをのぞいたり...といった程度になっていました・・・。

そんななかで先日、2012年になって再びアップデートが積極的に行われていることを知りました。
何より嬉しくなったのと、最近流行り(?)のWebアプリケーションでなく、
Linuxでも使えるスタンドアロンなGUIアプリケーションを作りたいな〜と考えていたことから
ちょっと記事に起こしてみることにしましたw

おっとww 余談が長くなってすみませんでした(^^;)ゞ

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